TalkBack で Kindle を開いて本を聴く
タイトルの日本語がすごい。
Japan Accessibility Conference vol.1 に参加した延長で何かやりたいと思って、Android のスクリーンリーダーを使ってみようと思った。どんなふうに使おうかと調べてみると以下のような記事を見つけたので、早速「本を聴く」という体験を試してみることにした。
実のところ、「体験によりスクリーンリーダーの技術を知る」という当初の目論見からはすこしはずれてしまった。Kindle アプリと Android 設定の往復しかしてないし、目も使ってる。
しかし、本を読む(聴く)という行為が良い意味で今までと違ったものになったのは、自分にとってよいことだ。また、読書(Kindle)における TalkBack の課題もいくつか見つけたので、やってみてよかったんじゃないかと思っている。
どのように本を聴くか
上記のブログに書かれている通りの手順で、TalkBack を ON にしてから Kindle を開けば文章が音声として流れ始める。ページ送りも自動でおこなってくれるので、携帯には一切手を触れずに本が読み進めれる。
また、以下の操作を一度試しておくと不測の事態に焦らなくてよい。
- 音量の調整
- 電源をオフにした状態からの起動
本を読む体験の変化
3日ほど TalkBack をつかって Kindle を操作した。その結果、つぎのような変化に気づいた。
- 目を使わなくても良いので、本を読み進めるのに場所を選ばない
- 歩きながらでも、会社でも、寝る前でも
- 目と音の両方で本を読むと、どちらか片方を使うよりも理解が進む
- 自動でページ送りがされるので、手による操作が不要
- TalkBack の音声をペースメーカーとすることで、本を早く読む練習ができる
- ずっと同じスピードで読み上げがおこなわれるので、本を読む(聴く)時間さえ決めておけば、本を読み終えるまでのスケジュールが確実にわかる
一番最後の本を読み終えるまでのスケジュールが確実にわかる、という点が最もよい点だと思っている。
TalkBack における課題
- 漢字の読み上げが変なときがある
- 「〜の方(ほう)」を〜のカタと読む
- 英語の読み上げが変なときがある
- 「I Think(アイ シンク)」をイチ シンクと読む
- 言語の設定が関係するかわからないが、設定は日本語
- 図は一切無視される(だって画像だもの)
- ページ送りの際に、言葉の途中で次のページにまたがると読まれない
- 「間(...ページまたいで...)接的」だとすべて読まれない
- 「間接(...ページまたいで...)的」だとすべて読まれる
- なぜか読み上げの途中で止まる瞬間がる
- 一切触れてないにも関わらず
- セクションの切れ目がわからない
- TalkBack に息継ぎはない
- ページをまたぐとき以外で一呼吸おく瞬間がないので、音声だけではどこでセクションが切り替わったかわからない
- ヘッダーグループがあるテーブルの読み上げは、ヘッダーグループの項目とデータの紐付けがされずに読み上げられる
- ヘッダーグループの項目がすべて読み上げられて、そのあとデータ部分が順番に読み上げられる
- 内容が理解しづらい
- ヘッダーグループをつくらなければ、「1つ目の項目のあとにデータ、2つ目の項目のあとにデータ... 」というふうに、順番にテーブルの情報が読み上げられる
- ヘッダーグループの項目がすべて読み上げられて、そのあとデータ部分が順番に読み上げられる